こんにちは、オザ(@oz051619)です。
登山を始めてから6年が経ちましたが今でもライフワーク。
これまで仕事やプライベートでも様々なことがありましたが、なんとか乗り切ってここまできました。
登山は私にとって心身ともに良い影響を与えてくれています。
山に登らない人に「なぜ山なんかに登ってるの?」と聞かれることが多いですが、うまく説明できません。
私の語彙力がないだけかもしれませんが、「ただ、なんとなく気持ちがいいんです」。
登山における気持ちよさの正体。
山に登っているうちは苦しいのに何故か次も登りたくなる。
これを分析してみました。
圧倒的な自然の前で"ちっぽけな自分を感じる"
果てしなく広がる空の下で「この広大な宇宙に比べたら、自分はなんて小さな存在なのだろう。」と思う。
あるいは、登山をして頂きに立ち、360度に広がる空の下で他の山々の連なりや雲海を見渡し、"ちっぽけな自分"を感じる。
このような、大自然や大宇宙の悠久さや広大さを前に、自分の存在の小ささを感じる体験をAwe体験といいます。
科学的に幸せになれる脳磨き 岩崎一郎著 サンマーク出版
本を読んでいたらこのような文章が出てきて、「これだッ」と思いました。
Awe体験をしていると、その人の脳はとても活性化しているという研究結果があるそうです。
私達は山に登ります。
山には車などの人間が作り出した便利な乗り物もありません。
ただひたすら、あくせくと登っていきます。
登った先に見える風景が、遠くに連なった美しい山々。
人間では何百年かかっても作り出せない、神しかこれを作れないのではないかと思います。
そんなときに人は「謙虚」になれるようです。
決してネガティブな意味ではなくちっぽけな自分を感じます。
ちっぽけな自分を感じるとともに人は利他的にもなれます。
このようなAwe体験を多くしている人は体内のインターロイキン6という物質の濃度が低く保たれているという研究結果がでています。
インターロイキン6という物質は身体が慢性的な炎症を起こしているときに出るもので、慢性的な炎症は人の寿命を縮めてしまいます。
大自然のなかを歩くことで人は意欲的になる
現代は科学技術に支配され、家にいながらにしてテレビやパソコンから全世界を見ることができる。
人間は自分が生まれつき動くようにできていて、自分が動物であることが忘れがちになります。
でも、動くことの少なくなった現代の生活は狩猟採集民であった人間本来の本質を壊しています。
山歩きで気分が爽快になるのは心臓から血液が送り出されて脳がよりベストな状態になるからです。
基本的に山歩きは有酸素運動です。
これは有酸素運動の重要さを取り上げた本ですが、有酸素運動を山歩きに置き換えることもできます。
(1)気をそらす
体を動かすと、文字通り不安から気をそらすことができる。
パニック発作を恐れている患者が運動をすることで別のことに気持ちを集中できるようになった。
運動には強い抗不安効果がある。(2)筋肉の緊張をほぐす
運動にはベータ遮断薬と同じように回路を遮断する効果がある。身体から脳に送られ不安をいっそう搔き立てるマイナスのフィードバックを断ち切ってしまう。(3)脳の資源を作る
脳を鍛えるには運動しかない! ジョンJ・レイティ with エリック・ヘイガーマン著 NHK出版
運動によってセロトニンとノルアドレナリンを瞬時にも長期的に増加させられる。セロトニンは不安回路のほぼすべての連結部分で作用し、脳幹では信号を調整して、前頭前野の恐怖を抑える力を向上させ、偏桃体を落ち着かせる。ノルアドレナリンは興奮性神経伝達物質なので、不安のサイクルを絶つにはその調整が鍵になる。運動はまた抑制性神経伝達物質のGABAやBDNFを増やす。
ある程度の負荷をかけて山歩きを続けると脳内にセロトニンやエンドルフィンが分泌されてメンタル面にも良い影響を与えます。
不安神経症や鬱病を予防する効果があります。
山歩きは一つの有酸素運動となりますが、続けることで何歳になっても脳は成長し続けます。
オフィスにも取り入れられるバイオフィリックデザイン
突然ですが、バイオフィリックデザインという言葉をご存知でしょうか。
バイオフィリックデザインとは、人間は自然を好み、自然とつながりたい本能的欲求があるという考え方に基づいたデザインのことです。
米国の研究機関によるとこのバイオフィリックデザインを取り入れたオフィスでは「創造性15% 、生産性 6%、幸福度 15%増加」したという結果が得られたそうです。
日本でも都内を中心にこのような緑を取り入れた空間デザインのオフィスが浸透してきています。
なにげなく山登りをしている身であっても、心身ともに良い影響があることは間違いなさそうです。
まとめ
山登りが心身に与える影響をまとめてみました。
これは実体験でもあります。
私は仕事でストレスが溜まり自律神経失調症になったことがあります。
自律神経失調症といっても程度は様々ですが、パニック発作のような症状が起こってしまったことがあったりと少しずつ自分が壊れていくような気がしました。
そんなときに自分を支えてくれたのが山登りです。
山を登っているときはなにも考えません。
山頂に立てば、自分が自分でない感覚。
そこから見える風景に神々しさを感じて、自分の存在や悩み事など些末なものに思えました。
山に登っていたときになんとなく感じていたそれはただの思い過ごしではなく、研究で証明されているものと知りました。